| |
〜中村廣のちょっとお役立ちコラム〜 【バックナンバー】 |
|
| |
|
| |
| 前回、断熱と気密の関係を書きましたが、一般に断熱材と呼んでいるものは断熱補助材であり、空気が断熱主材である。最近「外断熱が優れている」とか、「いや内断熱の方が問題が少ない」とか話題に上がっているようです。が、私は両方の工法に大差がなくグラスウールメーカーと工務店、ウレタンメーカーと工務店とが批判しあってるようにしかみえません。どちらの工法が適材・適所なのか判断することこそが、最も大切なことと思います。 |
| |
| A.外断熱 |
| 柱の外面に50m/m程度のボード状の断熱材(硬質ウレタンフォーム等)を隙間なく貼り断熱材の切れ目なく骨組みを包み込む方法です。内断熱のグラスウールと違い湿気を気にする必要もなく、気密シートは原則として不要です。鉄筋コンクリート造の建物はコンクリートの外壁に断熱材を打ち込み、コンクリートの壁・床を包み込む。包み込まれた壁・天井のコンクリートは暖房された熱を蓄える力が高く理想的な工法といえるでしょう。しかし木造に採用する場合、根本的に違ってきます。外断熱に使用するボード状の断熱材の多くは、激しく燃え上がり有毒ガスや黒煙を発生させることから火災時の避難上、かなり問題があると思います。また、解体時にかなりの処分費がかかりエコロジーとはいえないと思っています。 |
| |
| B.内断熱 |
| 柱の内々にグラスウール等の綿状の断熱材を充填する工法で、隙間なく施工することは外断熱に比べて難しくなります。スジカイのような複雑な箇所があると隙間ができやすい。スジカイを構造用合板で耐力壁とし、単純化して隙間を作らない工夫が必要です。また、構造用合板+グラスウール+気密シートをパネル化して柱間にはめ込む工法は、断熱・気密共に性能がアップする。 |
| |
|
| |
| グラスウールはボード状の断熱材に比べ、湿気に弱く施工中も完成後も湿気を防ぐ気密シート(防湿も兼ねる)が必要になる。昨年、青森で8年前に施工した住宅の外壁をはがしてグラスウールの状態を確認したところ、まったく劣化せず、変色もなく新品同様であったことがわかりました。施工技術さえしっかりしていればグラスウールで内断熱工法をとっても問題はないことがわかりました。 |
| |
| C.断熱基準 |
| 断熱基準とは、建物の断熱性能だけでなく地球温暖化を防ぎ、地球環境を守るため設けられた地球全体の基準です。日本では、昭和55年告示の旧エネルギー基準、平成4年告示の新省エネルギー基準、平成11年告示の次世代省エネルギー基準の3つがあります。一般的には平成4年の新エネルギー基準を取入れています。しかし、次世代省エネルギー基準の厳しい条件をクリアすることで快適な住環境ができるので北海道では多く取入れています。次世代省エネルギー基準を軽々とクリアするには一般の外断熱・内断熱工法では難しいのです。屋根・天井の断熱材を厚くすることはさほど難しい問題ではないのですが、壁を厚くするというのは問題があります。外断熱で50m/mのボード状断熱材を厚くすることは、釘・ビスの耐力・劣化を考えれば難しいといえます。その点、内断熱の場合は柱間の内々に充填したグラスウールt=50前後加えることはさほど難しいことではないのです。これを付加断熱といいます。 |
| |
| D.気流止めの重要性 |
| 外断熱であれ、内断熱であれ、外壁−屋根・外壁−天井・外壁−1階床・外壁−基礎の接合部の気密性が一番大切なポイントといえる。断熱主材である空気が動いては、いくら高価な断熱材を使っても暖かい住宅にはならないのです。ただし、外断熱で柱の厚みを利用して室内空間に暖かい空気を循環させる工法は有効であり、内断熱材ではまねすることできないメリットです。 |
| |
| E.間取りによる工法の選択 |
| 2階天井が平らな場合は、天井で断熱を。屋根勾配に合わせた天井をあげる場合は、屋根で断熱する方が有効である。1階床下に暖房熱源をおく場合は、基礎断熱に。1階床上に暖房熱源がある場合は、1階床断熱とする方が有効である。やたらに暖房する空間を多くすることは不経済です。間取りも単純な方が施工もしやすく、複雑になってくると外壁と他の場所との取り合いも難しくなります。 |
| |
| 以上の点を考えて、外断熱の方が有効か、内断熱の方が有効なのか、検討する必要があるのでは・・・。 |
| |
| |
|
 |