山形の設計事務所「廣設計室」

  〜中村廣のちょっとお役立ちコラム〜
 
エコロジーと住宅 19.設計実例 (3)七浦・N邸
 
 2001年、県立中央病院の移転にともない山形市北部は開発が進みました。N邸も病院移転にからんだ道路拡幅工事にかかり、建替えをせまられることになりました。ところが、拡幅工事で残った土地は不整形で狭かったのです。N邸の設計はこの不整形の土地に建てるか、Nさんが所有している畑に建てるか、また違う土地を購入するのか、土地選定から始まりました。家族会議の結果、『どんな不整形であろうと永年住み慣れた土地に建てよう』と決まりました。この不整形の土地にNさんの要望をどう詰込むかがN邸の最大の課題でした。
 
A.23.07°の角度を持つプラン
 
試行錯誤しながら間取りを修正していきました。家族構成は夫婦+祖母+若夫婦+子供という大家族で面積も大きく、敷地に余裕がありません。結果的に東側半分は北側境界線に平行に、西側半分は道路境界線に平行に交差する形となりました。その結果23.07°が発生したのです。自然にできた角度で故意的なものではありません。県立中央病院側から車で通ると東側のプロポーションが最もきれいになりました。玄関までのアプローチをはさんで東側(客間の南面)と西側(居間の南面)にさほど大きくはないですが、ほどよいスペースの庭ができました。造園屋さんも既存の樹木を最大限生かし、きれいに仕上げてくれました。
 
せまい土地に大家族の住宅です。屋根は南面に片屋根とし、2箇所の緑地に開放した間取りです。
 
ポーチは門・堀と一体になっています。
 
外壁と一体の塀
 
B.パッシブソーラーと風通し
 
 この住宅は前号の住宅と同じ性能を持つ高断熱高気密+オール電化(床下蓄熱床下暖房)の住宅です。そして、南面はできるだけ開放的に陽だまりのある家としました。また風通しのことも考え、自然のエネルギーの恩恵を最大限受け、人工のエネルギーが最小限でまかなえる住宅が今回の設計コンセプトの一つです。ソーラーパネルなどの大げさな設備を設けて、省エネを図るのはパッシブソーラーとはいいません。それではアクティブソーラーになってしまいます。間取りとプロポーションは切っても切れない関係にあり、プロポーションと快適性も切っても切れない関係にあり、快適性と間取りも切っても切れない関係にあります。つまり間取り・プロポーション・快適性・は切っても切れない三角関係になっているはずです。
 
2階平面図
1階平面図
 
配置図
 
 
 
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