山形の設計事務所「廣設計室」

  〜中村廣のちょっとお役立ちコラム〜
 
エコロジーと住宅 21.設計実例 (5)上小松・O邸
 
1.形状
 
今回のO邸は、川西町中心部に2年前に建てられた住宅です。川西町は、米沢市に隣接し積雪1m位ある地域です。当然、家族構成・駐車スペース・雪降ろし・雪のストック場所等、総合的に考えたプランとデザインになりました。敷地に接する道路は北側で、屋根を北側に流すと道路側にまともに落ちてしまい駐車できなくなってしまい、敷地の東・西側には余裕がなく南側に雪を落す方法しかありませんでした。南側に居間・食堂・台所を配置しました。北側にオープンな車庫と水周りを配置し、2階に寝室・子供室のプライベートルームを配置しました。その結果、屋根は南向きに緩やかな“R”を付けて流しました。冬の雪と秋の(隣の神社にあるケヤキの木)落ち葉も落すことが出来ました。落ちた雪は、既設の井戸水を利用して消雪することになりました。
 
2.パッシブソーラー
 
南側に屋根を流していますが、太陽の恩恵は受けることが出来ます。また、中間部に位置するアトリエはトップライトから十分な採光と太陽熱の暖かさを取得することが出来ます。居間からアトリエにかけてはRの屋根が天井となりその中は厚い断熱層となっています。また、この住宅は外壁面に高性能グラスウール24kg相当t=50の附加断熱をプラスして次世代省エネ基準を軽々とクリアしています。
 
3.アトピー対策
 
この住宅で雪対策とアトピー対策という大きな課題がありました。子供さんがひどいアトピーで、原因の一つはハウスダストということでした。施工する年の7月に施工されたシックハウス対策はもちろん、細部に至まで注意を払いました。内装材は金山杉・珪藻土の自然素材を選択し、鴨居・梁などの埃の溜まりやすい部分は45°の勾配を付けて少しでも埃が溜まりにくいようにしました。照明器具は埋込器具を多用し、その他の器具は手の届く高さに設け掃除がしやすいようにしました。そして、オール電化住宅にし埃が立たないようにしています。IHヒーターは電磁調理器のため油のベタつきが少ないため周辺が汚れにくい。暖房は深夜電力を利用した蓄熱式床下暖房で輻射熱のため埃が出ないようにしました。輻射熱だと風が起きないので埃が舞うことも少なくなります。
 
矩計図
 
[建築データ]
●家族構成:夫婦+子供1人
●敷地面積:389.93m2(117.95坪)
●延床面積:194.54m2(58.84坪)
   1階:120.70m2(36.51坪)※車庫含む
   2階:73.84m2(22.33坪)
●構造:木造 2階建
●竣工年月:2003年12月
 
 
完成後、O邸を訪問すると夏は神社の大ケヤキが日射を遮り風通しが良くすがすがしいし、冬は大ケヤキの葉も落ち日射が部屋の奥まで差し込み暖かく、快適な住宅になっていました。
 
 
 
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