山形の設計事務所「廣設計室」

  〜中村廣のちょっとお役立ちコラム〜
 
エコロジーと住宅 26.理想の家を完成させるには(4)
 
前回で設計はすべて完成し、あなたの家の正確な金額が出せる状態まで進みました。今回は契約時の注意点、工事期間中の施主のチェックポイントを書かせてもらいます。
 
A.見積
図面に基づき金額を算出すのに10日〜2週間位かかります。柱1本からコンセント1個まで正確に拾う為、大変な労力が必要となります。一式という数字と単位はアバウトなので出来るだけ少ない方が正確といえますし、単価は実勢単価に近い数字が望ましいのです。ただ忘れてならないのは、施工業者は経費もかかるし適正な利益も欲しいはずです。諸経費とか管理費という項目をつけると施主側では、値引きの対象となってしまい単価を高めに設定してくるケースが多くみられるようです。官庁工事は管理費が比率で決まっていますが、民間工事もそれに近づけたいものです。結局、値引きの対象となる諸経費をのせないで単価を上げるから同じ数字になってしまいます。それでは実勢に遠い単価になってしまいます。素人が見積をチェックするのはとても難しいのですが、図面とくい違いはないのか、できる範囲でいいからチェックすべきです。あまりわからないところは、口頭で聞いた方がいいと思います。「追加工事で何百万かかった」という話を聞いたりします。これは設計段階、そして見積のチェックが甘い結果といえるのではないでしょうか。予算がオーバーしてしまった場合、贅沢な仕上げや、交換可能な住設機器のグレードダウンを考えるべきかとおもいます。構造や断熱に関することは避けた方がいいはず、後で改修する場合には多額の費用がかかってしまう部分です。金額が互いに合意できたら工事請負契約を必ず結ぶ必要があります。契約書は、トラブルが起きないときは要らないように思えますが、トラブルが起きてしまうと一番重要なバイブルになってしまうのです。契約書はいろいろな形式のものがありますが、施主や施工業者に一番公平なものは「旧4会連合協定の契約書」で約款までつける必要があります。そして、支払い条件を出来高に近い割合が適正で安心ではないでしょうか。また、前回述べた概算予算書の数字に決定した工事費を入れていくと正確な予算書に変わってきます。それにより、家が完成するまで大きく違うことはないはずです。
 
B.確認申請・その他申請
見積・契約と前後する場合もありますが、各申請を着工前にしなければなりません。市役所、建築サポートセンターに地区計画、確認申請を、金融機関に融資関係の申請を行います。地区計画、確認申請は業者が代行します。
 
C.工事
申請が受理され、契約を結ぶといよいよ着工にはいります。頭の中に描かれたあなたの家がだんだん形になっていきます。工事を始める前に通常、地鎮祭を行い、初穂料・お供え物は施主が用意します。上棟式はケースバイケースです。次に施主のチェックポイント・設計者のチェックポイントを並べてみます。
地鎮祭
▲地鎮祭
 
[施主のチェックポイント]
 
●建物の位置確認(地縄)
●設計地盤の高さ確認
●内外装材の色決定
●住設機器の仕様確認
●コンセント、テレビ、電話の位置確認
 
[設計者のチェックポイイト]
 
●根伐底の地盤状況確認
●砕石厚さ、転圧状況確認
●鉄筋状況確認
●コンクリート打設立会い
●基礎土間断熱材施工状況確認
●材木検査
●木材加工前打ち合わせ
●建方検査
●耐力壁、筋違検査
●断熱工事状況確認
●気密測定立会い
●各工事打ち合わせ
●施主チェックポイント打ち合わせ
 
などが必要かと思われます。
 
頭の中に描いていることと違う箇所が出たら、すぐ担当者と打ち合わせして納得すること、もしくは手直ししてもらい傷を深くしないことが大切です。せっかく建てるのだから業者と仲良く、気持ち良く施工してもらった方が出来栄えも良くなるはずです。施工が終わった部分の変更は極力避けるべきです。でないと、手直しした部分がきれいに仕上がらないケースが多く、大工さんが最もきらうことでもありますから。また、直接大工さんに相談はしないで、工事担当者を必ず通すことです。そうしないと、食い違いが生じてしまうことがあり注意が必要です。
 
D.完成
地鎮祭以来4〜5ヶ月かけた工事も終わり、あなたの家が完成します。完成時は設計担当者と一緒に完成検査をし、手直しをしてもらうのが理想です。引渡しがすんでから細々と言うのは、あまり良いとはいえません。また、車のように既製品でないので、多少精度の劣る部分があるかもしれませんが常識の範囲で見て欲しいものです。入居する前にいろいろな設備の取り扱い説明を受ける必要があります。電気、給排水、暖冷房、住設機器の説明を受けるのがご主人のみでなく奥さんも一緒に受けるべきです。説明だけでなく取り扱い説明書、保証書をファイルして保管しておくと便利です。また、工事写真・完成写真も記録に残るものなのでファイルしてもらうべきです。協力業者連絡表も作成してもらうとよいでしょう。トラブルは、夜とか休日の連絡のつきにくい時に起こるものです。特に設備に関係のある業者の電話番号、担当者の携帯電話番号が重要でになります。確認申請の完了検査、融資関係の完成検査が済まないと入居できません。業者・設計者の担当者が代行します。また、登記もこの時期に行います。登記は、施主が司法書士に頼むことになります。完成検査、取り扱い説明、確認申請完成検査を済ませると業者より引渡しを受けます。業者より工事完成引渡し書を受理し、同時に鍵を受け取り自分のものになり業者は勝手に入れなくななります。この時まで掛けていた業者の工事保険は無効になり、かわりに施主の火災保険に変わるように手続きをしなければなりません。業者への最終支払いと追加工事清算は、引渡し時もしくはこの近日中に行います。カーテン・ブラインドは入居に間に合わせるためには、2週間ほど前にさかのぼり発注しなければなりません。引越し前に施主が届出しなければならないのは住居表示、住民票移動(役所)、郵便局、電話、ガス、灯油の手配ほかもろもろあります。それらのことを済ませるといよいよ引越しです。新しく購入するものと既存のもとの引越しスケジュールをたて引越しすれば、待ちに待った夢のマイホームでの生活が始まります。
 
 
 
 
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