山形の設計事務所「廣設計室」

  〜中村廣のちょっとお役立ちコラム〜
 
エコロジーと住宅 29.間取りを考える(2)
 
前回は、間取りを考える際の総体的なことを書いてみました。
今回からは中村が気をつけている細部について書いていきます。
 
A.敷地と道路の関係の建築基準法
 
●接道の長さ
敷地が道路に2m以上接していないと建物を建てることができない。(図1)
接道の長さ
 
●全面道路が4m未満
原則的に全面道路が4m以上なければならない。もし4m未満の場合は、道路の中心から2m以上後退した線が基準法で決められた道路境界線となります。(図2)また、公の道路が私道なのか?隣接者の土地なのか、道路なのか調べる必要があります。これがわからないと市の建設課などではっきりするまでにはかなりの時間がかかります。
全面道路が4m未満
 
B.道路からのアプローチ
 「公」の道路から「私」の敷地に入る境目であることを強調したいところ。なにせ玄関までのアプローチはその建物の顔になるからです。
 最近は自動車の所有台数が多くなり、4台もの駐車スペースを必要とされるケースもあります。アプローチは車だらけでアルミのカーポートが道路側を占領して味もそっけない家が多くあります。そのほとんどは、庭がなくなっています。狭い土地の場合には、カーポートや車庫を諦める勇気も必要となってきます。敷地にゆとりのある場合、道路と玄関を門・塀で区切り、顔とするのもアプローチの方法となります。
残念ながらそう広い敷地はめったにありません。しかし、何らかの方法で区切りたいという場合は、壁をつくらずオープンな車庫として駐車スペースを少しだけ広げれば門の代わりになります。敷地面積もさほど広くなくてもできる方法です。そのアプローチは、雨があたらない快適な外部空間となります。
 
T邸:門
 
H邸:東南角地
南側道路よりアプローチを兼ねた車庫を
 
 また、アプローチは建築だけでなく緑も大切な要素になります。たとえ面積を多くとれなくても緑は活きます。いえ、少なければ少ないほど工夫次第で緑は活きてくるのです。
 
Y邸:アプローチ(南側道路)
 
 
 山形は雪国ですので屋根の勾配なども大いに考える必要があります。多雪地帯になればなるほど切実な問題です。
 この住宅は北側道路で「道路側に雪を積みたくない」などいろいろな条件の結果、南側に片流れ屋根としたケースです。車庫は北側道路に接したオープンな車庫とし2階に部屋をのせました。
 
O邸:北側道路
 
 
 家相を最優先に考え、北側道路なのに反対側の東南の角に玄関をもってくる人もいます。しかし、どうでしょうか?合理性を優先し少し妥協できないものだろうか考えます。ただし、少し長めにアプローチを設けそれに沿って緑を楽しむことのできる演出でもできたら話は別です。一般に北側からアプローチする場合、庭とアプローチは切り離されるので演出は難しくなります。アルミのカーポートやスチールの物置を通り玄関に入る、これでは既製品に囲まれているようで寂しい。ちょっとした植込スペースを設けるだけで心が豊かになるはずです。
 反対に南側からアプローチする場合は、庭の中を通り玄関に入ることになります。北入りよりは簡単に演出できますが、南面は窓を大きくとり開放的にするケースが多いことからプライバシーが保てなくなります。アプローチからの目隠しなどの配慮が欲しいところです。逆に見せても良いのでは…しかし、見せても良いような部屋の配置を考える場合のみで、なかなか難しい。
 アルミのカーポートやスチール物置は今や主流かもしれませんが、情緒に欠けます。ちょっとふんぱつして手造りにしてはどうかと思います。
 
M邸:完成予想図 車庫と一体になった住宅(東側道路)
 
 
 
 
 
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