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柏倉・N邸
■柏倉・N邸にあたって
Nさんと最初にお会いしたのは一昨年の11月になります。それから、工事着手まで約1年かかりました。市街化調整区域のため、開発許可が必要でした。その他に、前面道路の問題・下水道の問題等、進めていくうちに難問が次々と出てきました。敷地が畑のため土の入れ替えを7〜8月に行い、11月に建物の着工となりました。
Nさんの希望は・・・
1.日当たりが良く、風通しが良いこと。
2.自然素材を使用したシックハウスのない家
3.小動物のための日当たりの良いスペース(サンルーム?)が欲しい。
4.吹抜が欲しい。
5.シンプルなデザインの家 などでした。
A.大きなガラス屋根
最後まで悩んだのが『居間の南側に隣接したスペースを内部空間(サンルーム)』にするか、『外部空間(ウッドデッキ)にするか』でした。一長一短ありますが、結局外部空間(ウッドデッキ)となりました。
内外の隔たりがなくなるよう大きな開口部を設け、ウッドデッキに素足で簡単に出て行けるよう段差をなくしました。開口部の幅が3.64mの木製サッシで大きな2枚建具の引違としてみました。この開口部は、最も熱の入りやすい場所でもあり、最も熱の逃げやすい場所でもあり、ディテールの神経を使いました。そして居間が暗くならないよう、水下半分を強化ガラスの屋根としました。
B.金山杉と珪藻土
「自然素材を使用しシックハウスのない家」という希望を満たすため、最初から金山杉と決めました。乾燥材を使用するためには、設計図が完成する前に主要材の寸法を構造計算で割り出し、8月には金山町森林組合に発注しました。
Nさん家族には金山町まで同行してもらい、使用する杉材の故郷を見てもらいました。そのようなこともあり、Nさん家族は愛着をもち末永くこの家を可愛がってくれるでしょう。
C.優れたQ値とC値
自然共生住宅ですが断熱性能にも神経を使った住宅です。
熱損失係数(Q値)は、
Q1住宅
(北海道仕様の断熱性能を持つ住宅)を目指しています。私も会員である新住協メンバーは、それをQ1プロジェクトと呼んでいます。猫も杓子も高断熱高気密住宅というようになった今日、ワンランク上のグレードを目指すためプロジェクトが組まれています。
この住宅のQ値は「 1.3 」で、C値は「 1.0 」とかなり良い数値でした。(C値とは、この建物にどれくらい隙間があるのかを表す数値)
Q値とC値が良いということは、冬暖かい住宅ということに間違いない証といえます。
D.風の通る家
居間・客間の南面には引違の大きな掃き出し窓を設け、吹抜を挟んで北側の随所に辷り出し窓を設け風の通り道をつくりました。エアコンの要らない快適な夏を過ごせるはずです。また、6ヶ所のトップライトは家の中にこもった熱気を噴き出すための仕掛けです。特にロフト上部のトップライトは、昔の家でいう煙だしの役割をもっています。他のトップライトは、太陽熱を取り入れる役割をもちます。
■建築データ
■敷地面積:816.46m
2
■建築面積:100.71m
2
■延床面積:151.04m
2
(45.6坪)
■構造:木造2階建
■主な設備:
深夜電力利用蓄熱式床下暖房 22.01kw
追焚フルオート電気温水器 550リットル
IHヒーター・集中換気システム
■工期:2005年11月〜2006年4月
1.南側より
パッシブソーラーの役割をもつ南側の大きな窓。雨の日でもウッドデッキに出られるように、居間が暗くならないように考えられたガラス屋根。
2.ガラス屋根
ウッドデッキから見上げるとこんな風に
3.玄関はいると
右手にたっぷりの下足入、正面には飾棚と大きな窓が玄関まで明るくしている。
4.玄関建具
5.居間から見上げる
居間・2階アトリエ・ロフトとこの住宅の階層が見える、上に広い空間だ。
6.居間から見上げる
子供室と吹抜の壁には折戸を。そして、屋根勾配なりの天井とトップライトでさらに明るく。
7.居間側、階段下物入
扉を閉めている時は壁に見えるよう、建具には取手をつけていない。
8.食堂・台所のカウンター
レンジフードをそのまま見せたくないため、シナランバーコアで囲んでいる。
9.1階客間
客間北側の床の間と神棚、その下は押入。照明カバーは製作。
10.階段上り口と台所まで通る廊下
台所と廊下の境に建具がありますが、不要なときは戸袋にしまって。
11.階段上り口より見上げる
居間と一体になった階段室
12.2階アトリエ
正面は洗面コーナーに、右手にはカウンターがありちょっとした書斎にも勉強部屋にも、ピアノの練習と用途は多目的に。
13.2階寝室
壁の向こうはウォークインクローゼット、その上にロフト。
14.ロフト
建物東西に一直線につながるロフト。
柏倉・N邸 熱損失係数計算結果
※画像クリックで拡大します。
暖房用灯油消費量計算書
※画像クリックで拡大します。
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